ヒソミネを始めた話④ 内装工事編

前回は店名とCAMPFIREについての話をしました。
今回は契約した居抜き物件をどのように改造していったかの話をします。
まず契約時、ヒソミネはこんな状態でした。

オープン前写真

もう既にお店の内装としてはそこそこ良いかんじの状態でした。
バーカウンターも椅子も揃ってましたし、トイレも綺麗(前の入居者が1年前くらいにトイレをリニューアルしたと聞きました)で、そのまま使えそうな照明器具も設置されていました。
それでももちろん内装工事は入れる必要がありました。

予算の都合上、施工業者は知り合いで安く引き受けてくれる方をまず探しました。
一つ言っておきたいのは、このやり方は場合によってはその知り合いに失礼になってしまうこともあるかもしれませんし、「安く請け負っているんだから」と適当な仕事をされてしまう事もあるから気をつけた方が良いと言えます。
もし知り合いにやってもらうなら、第一の理由は値段より「信用できるから、良い仕事をするから」という理由で選ぶべきかなと今は思っています。
それでもこのヒソミネの時は奇跡的にうまくいきました。
kilk所属のsundelayのメンバーに建設会社に勤めている方がいたので現場監督をお願いしたのですが、全てにおいて最高の仕事をしていただいたと思っています。
様々な業者の手配ややりとりを円滑にこなし、最後まで自分のことのように親身になってくださいました。
そして価格の面でも信じられないほどのご協力をいただきまして・・・その節は本当にありがとうございました!

工事をお願いする前に、内装にかけられる予算150万円の範囲の中でどこを改造するかを自分で選定しました。
正直に言うと、一度自分の希望を全てお伝えして見積もりを出していただいたのですが、300万円オーバーだったので、優先項目を決め、どうしても外せないこと以外は現時点では諦めるしかありませんでした。

ちなみに物件契約時の図面はこんなかんじです。

この時点でフードとドリンクに力を入れるための厨房やバーカウンターまわりは既に揃っていました。

他に優先的に工事が必要だと判断したのは以下の箇所です。

耳休めのための場所を作る
ヒソミネを始めた話② コンセプト編の「音の逃げ場なさすぎにも書いた通り、耳休めの場所が必要でした。

喫煙所の設置
同じくヒソミネを始めた話② コンセプト編に書いた通り、分煙は外せないことでした。
周りが住宅地なので外に喫煙所を設置するのも難しく、かと言って入居時にはそのまま喫煙所として使えそうな部屋はなかったので、新たに喫煙室を設置する必要がありました。

まずこの2つを実現するために、このような作りにしました。

耳休めのためにホールとバーカウンターを区切る壁と扉の設置、分煙のためにバーカウンターエリアの一部に喫煙室を設けました。
図面の「向こう側が見える仕切り」(写真右下)は予算の関係で撤去せず、そのまま壁に埋め込みました。
解体したら出てくるでしょう笑

さらに上の2つの図を見比べてみるとお判りかと思いますが、倉庫の上側の扉と厨房の下側の扉は不必要だと思い、壁で埋めました

壁工事はこんなところです。

他にもいろいろなところで費用はかかりました。
挙げていきます。

・壁と天井を白く塗る
壁工事の次に費用の大部分を占めたのは壁を白く塗ることです。
入居時は写真のような黒い壁でこれもこれで良かったのですが、やはりヒソミネを始めた話② コンセプト編に書いた通り、「黒い壁の汚くてデンジャラスな雰囲気」を無くしたかったので業者にお願いして白い壁にしました。
これは後から思えば、この限られた予算の中だったら業者でなく自分で塗るのもアリだったかもなぁと思うところもあります・・・笑
実際bekkanは自分達で塗りましたし、できなくはなかったかと思います。
でも綺麗に仕上げていただいたので満足はしています。

・解体&撤去作業
部屋の奥の方に謎のステージ?(先ほどの写真の右上)があったのですが、ステージとして使用するには小さすぎて、使い道がなかったので撤去してもらいました。

・破損していたタイルの貼り替え
トイレの床のタイルが割れていたので、同じくkilk所属のsundelay長塚さんに直していただきました。

・バーカウンターの天板張り替え
天板が古く、剥がれかけたりしていたので、上から木目のメラミンシートを貼りました。

・入口外の扉の横に看板を設置
ケナー様にご協力いただきました。改めてありがとうございました!

このヒソミネではもちろん自分にとって初めての店舗作りで、プロの店舗デザイナーを入れたわけでもなかったので、良いかんじに仕上がるのか少々不安ではありました。
正直言うと、オープン当初はまだまだな部分があったことは否めません。
そこは大いに反省しています。
自分自身日々新たな考えを知って学んで、今でもヒソミネを確実に進化させ続けているつもりです。
5周年を迎えたこの2018年5月、メインのスピーカー、サブウーファー、ミキサー、アンプを一新しました。
今年に入ってからは他にもプロジェクターをより良い物に入れ替えたり、内装も徐々にグレードアップさせたりしています。
この5年の間に機材や内装以外にも、スタッフの姿勢、お店のシステム等、数え切れないほど多くのことを変え続けています。
それって大事なことだなと思うんです。
自分が成長して新しい考え方や価値観を知ったら、それをしっかり行動に移して改めていくこと。
そしてもし仮にお店が軌道に乗って落ち着いていたとしても、時代の変化に合わせて常に動き続けていくこと。
もちろん逆に決して変えてはならない芯を守り抜くこともとても重要です。
ステイする勇気とムーブする勇気。
それをしっかり見極め、ぬるま湯につかり続けることのないようにしなければなりません。ここ数年は自分の中で重要なキーワードとしてそれを常に忘れないようにしています。
これは音楽家でもレーベルでも店舗運営でも会社経営でも共通することだと思っています。

今回はここまでで。
まるで「ヒソミネを始めた話」最終回のように語ってしまいましたが、次回も続きます笑

このブログの話は、もしかしたら他のライブハウスさんからは白い目で見られたり、鼻で笑われたりするような内容もあるかもしれませんが、少なくともヒソミネという超小規模なお店においては大事な話だと思います。
次回以降も変わらないテンションで書いていくつもりではありますが、もし「こういうことが知りたい」みたいな内容がありましたら、SNSでもメッセージ欄でもお問い合わせフォームでも何でも良いのでリクエストメッセージをください。

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