kilk recordsを始めた話② 会社運営準備編

前回では会社を立ち上げるまでの経緯と会社設立に関することを説明しました。
今回は会社登記の他にしたことを挙げていきます。

会社名
いろいろ迷いました。自分の場合、ヒントを探そうといろいろな辞書とか探したりしたんですが、江戸用語辞典に「きるく」という言葉があって、オランダ語であるコルクを江戸の人がきるくと訛ったみたいなんですが、単純に響きがいいなと思いまして。
オランダ語だとコルク=kurkなんですが、英語として書いてみたら「kirk」だとキーク?キルク?と読めない人がいそうだし、うーん、、
「kilk」
おお、字面も良いじゃないか!!
ということで決めました。
killみたいな凶暴さもありながら、silkのような繊細な響きもありますし。
ちょっと違いますが、My Bloody ValentineやDeath Cab For Cutieのような、「Bloody」「Death」のようなダークで強い言葉と、「Valentine」「Cutie」のような甘い言葉の対比を名前にするのって個人的にカッコいいなと思うんですよね。
その言葉の後ろに、レーベルということでrecordsを付けてkilk records。
kilk record(s無し)とかkilk labelとかも迷いましたが、Warp RecordsとかDomino Recordsがそうだったのでなんとなくそうしました。
正式な社名は株式会社キルク。
カタカナにしました。
株式会社キルクレコーズにしなかったのは、この先もレーベル業務以外もいろいろできるかなと思ったからです。
イベント制作とか音楽事務所とか。
まさかその時は2年後にライブハウスをやるとは思ってもいませんでしたが・・・。

ロゴ
バンドメンバーの知り合いにプロのデザイナーを紹介してもらいました。
デザインの相場としてロゴは料金が高めではありますが、安くやっていただきました。
実は最初のカタログナンバー1番のAureole「Imaginary Truth」の時はコルクにバッタのような足が生えたようなロゴでした。
ただちょっとイメージと違うなと後から思っちゃったんです。それで今は丸いマーク。これです。

実はこれもコルクを上から見たイメージなんです。
このロゴはカタログナンバー2番以降は今まで変わらずずっと使っています。

ホームページ、SNS
これも知り合いにお願いしました。
言うまでもなく大事ですよね。
今はSNSだけでもどうにかなるかもしれませんが、どちらにしても会社を立ち上げたら早急に公開した方が良いかと思います。

名刺作り
当時は最初から作った方がいいと思いましたが、2020年となった今ではどうでしょうね。
必須ではないですが、レーベルをやる中で1人では完結するというのはかなり難しいですし、繋がりはやっぱり必要になります。その上でリアルで会った時にカードを渡すという儀式は今でも存在しているので、名刺はあると便利っちゃ便利かなと。
人脈とかなんか嫌いですが、繋がるべくして繋がった人とは今でも仕事を発注したりしてますし、人間関係の構築が苦手な方はレーベル運営は手を出さず、他の音楽系の仕事で生きることをオススメします。
名刺に限らずなんですが、デザインは自分でやることに自信がないのであれば、ちゃんとしたデザイナーにお願いした方が絶対いいです。これはCDアートワークでもなんでもそう。ブランディングを作る上でもけっこう重要なことだと思ってます。
印刷も家庭用プリンターとかでなく、グラフィックとかプリントパックみたいな業者にお願いした方が絶対良いです。
価格はもちろん紙の種類によっても変わりますが、1000枚で2,000円くらいとかですね。

事務所選び
自分の場合は自営業で使っていた場所をそのまま使用したので、会社立ち上げ時は特に探す必要はありませんでした。本社もその住所です。家賃だけは経営状態がどうだろうと容赦無くかかってくる固定費なので、無理なく払えるクラスが良いと思います。

固定電話、ネット環境開設
さすがに言うまでもなくネット環境は必須ですよね。固定電話はネットを繋げる時にひかり電話を一緒に契約するとか、最近ではSMARTalkとかスマホアプリで050番号を取得できるのもありますし、それでもいいかもしれませんね。
https://ip-phone-smart.jp/smart/smartalk/
ネットは申し込みから開通まで1ヶ月以上かかったりするので、早めに申し込んだ方が良いです。

必要な物をいろいろ購入
PC/macは必須だと思います。
当時買ったもので覚えているのはCD-Rプレス機。最初15万円くらいだったかな?買っちゃいました。
アメリカ製ですぐ壊れました。。
CD-R(白盤、サンプル盤と呼ばれています)はリリースする時に必要になります。
1つのリリースでインディーレーベルでも200枚〜400枚くらいお店や関係者に配布するのですが、それをその都度業者に頼むと高いので自分のところで購入することにしました。
が、今は自分は流通会社に別料金で白盤(サンプル盤)は作ってもらっちゃってます。
もし自分で作るなら盤面音データを焼く機械(デュプリケーター)と、盤面印刷が可能なプリンターが必要です。
前述のすぐ壊れたマシンはその二つの機能が一体になってる全自動マシンです。
正直買わなきゃ良かった・・・笑
まあでも壊れるまでは一応活躍しました。
盤面印刷は家庭用プリンターにその機能がついていればそれで良いんじゃないでしょうか。
デュプリケーターは1枚のマスターで同時に5枚焼けたりするんですが、まあまあ高いです。
「デュプリケーター」とググればいろいろ出てくると思います。
たかだかデータをコピーするだけなのに高過ぎだなと思いますが、あまり需要があるわけじゃないからこんな値段なのかな。
まあkilk records立ち上げから10年経った今、白盤制作は時間の節約を考えると流通会社に作ってもらった方がいいかなと思ってます。

流通会社探し
よくこう質問されます。
「流通ってした方がいいんですか?」
個人的にはしっかり製品として作るのなら答えばYESです。

CDをリリースする際にかかる費用は、「プレス代」「広告宣伝費」これがほとんどです。
流通することでお金がかかると思っている方が多いようですが、売上枚数に応じた手数料こそ取られますが、基本的に「流通費」みたいなお金はかかりません。(お金を取る流通会社もあるのでご注意を)
お店で売れた場合、もちろんお店に定価の半分弱は渡すことになりますが、流通を通さず小さなCDショップだけで販売するにしたって、結局「販売店の取り分」「プレス代」「広告宣伝費」は変わりません。
他のマイナス面としては流通会社との契約ややりとりに少し手間がかかるというくらいかなと。
流通会社も宣伝、営業の面で力になってくれますし(流通会社の方で売れると判断した作品に限りますが)、在庫がなくなったら補充してくれる、CDショップでの看板も製作してくれる。リリースにあたっては強力な味方になってくれます。
レーベルをやる時点で「一人でも多くの人に聞いてもらいたい。感動を伝えたい。」と思うのが普通ですよね。だったら製品としてプレスする以上、流通した方がいいかと思いますよ。
ただし、そうしなくても既に十分知名度があって、自社HPや物販だけで売れる見込みがあるバンドなら、売上を100%得るために敢えて流通会社を通さないというのも良い選択肢かもしれません。
あとは流通できないフォーマット。アナログ盤とかCD-Rとかカセットテープとか。
CD-Rやカセットテープで手作りパッケージなら工夫次第で1枚100円くらいで自分で製造できるかと思います。
それをライブ物販のみ、小規模なCDショップや通販のみで販売というのも、利益もしっかり得るという点ではアリかもしれません。

【2020年追記】この記事を書いたのは何年も前なので2020年現在、CDの全国流通はもはや必須ではなくなってきている気がしています。

もう一つよく言われる質問。
「配信のみでも売れますかね?」
これはけっこう難しいですね。これだけでレーベル運営するというのは日本のインディーミュージックだと難しいと思います。

【2020年追記】今はやっぱりサブスク、YouTube、SNSが鍵を握りますね。収益的には厳しいですが、それをライブや物販の方に誘導するのがインディーバンドには現実的な路線かと思います。

配信も流通会社が行ってくれます。
むしろ最近ではCDリリースより配信の方が乗り気です。
逆にCDリリースだけをA社で頼んで、配信のみB社でとやると、A社があまり良い顔をしないとは思います。

流通会社(ディストリビューター)はいろいろあります。
うちで使っていたのはウルトラヴァイヴとJMSです。
他はアートユニオン、ブリッジ、ダイキサウンド、タワーレコードなどいろいろ。
流通してもらうことを希望するなら、まずはダメ元ででもホームページから「リリースをしたいのですが、御社で流通してもらえますか?」とメールを送ってみるのが良いでしょう。
断られたって恥ずかしいことではないですし、ダメ元でもとにかく行動した方がいいと思います。

今回はこんなところで。
次回はレーベル運営編

Leave A Reply

*
*
* (公開されません)